水野信行 Horn

 ホルンと共に歩んだ50年の集大成
 水野信行 / 讃美(Laudatio)

 このCDには水野信行が、ホルンとともに歩んだ50年間に関わりのあったすべての音楽家、作曲家、そして応援してくれた人々への、感謝と賛美の気持が込められています。

 水野はペーター・ダムに魅せられ、レコードを何度も聞き返しながら、いつの日か直接指導を受ける日を夢見ていました。そのチャンスは1973年、ザルツブルクの講習会で訪れ、以後40年間、ダムは暖かく水野を見守ってくれています。

 最初の5曲は、恩師ペーター・ダムへのオマージュであると同時に、33年間のドイツの生活で水野の体にしみ込んだ、教会の響きの中から生まれた作品を選んでいます。

 アルバムのタイトルにもなっている1曲目のクロールの「讃美」(Laudatio)はホルン独奏の曲。

次の曲から4曲はオルガンの室住素子との共演で、J.S.バッハとフィンガーはP・ダムも開発の助言をしたピッコロホルンを使用しています。

 フォルスターは、水野がやはり師事したことがあるバウマンバウマンのレコードをきいて、オルガン版に編曲した協奏曲からのアダージョで、宗教的な雰囲気がただよっています。

 クロールの作品がもうひとつ。ミサ・ムータは水野が初めてクロールに出会った作品です。1978年ワイマールのP・ダムの講習会の折に、ナウムブルクの教会でおこなわれたP・ダムとオルガンの演奏に衝撃を受け、その衝撃を自分なりに再現しようと収録したものです。

 最後の2曲、ドープラーとラヴェルは室内楽演奏会でハーピスとの吉野直子と共演した想い出の曲です。2人は、しばしばサイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団でいっしょに演奏してきました。

 ドープラの作品はスコットランド民謡のロビン アデアをテーマにしたホルンとハープのための変奏曲で、序奏に続いて2曲目に「ロビン アデア」のテーマ、3曲目から7曲目までがその変奏曲という構成です。最後の「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、原曲はピアノで、自身オーケストラにも編曲したラヴェルの代表作で、オーケストラ版ではホルンが大活躍します。

讃美(Laudatio)

①クロール:讃歌(ラウダーツィオ) 

②J.S.バッハ:主よ人の望みの喜びよ 

③フィンガー:ピッコロ・ホルンとオルガンのためのソナタよりアレグロ 

④フォルスター:ヴァルトホルンとオーケストラのための協奏曲~アダージョ

⑤クロール:ミサ・ムータ(ホルンとオルガンのための5つの小品)作品55

⑥ドープラ:スコットランドの歌による変奏曲 作品22ホルンとハープのための変奏

⑦ラヴェル: 亡き王女のためのパヴァーヌ

水野信行:ホルン①、④-⑦、ピッコロ・ホルン②③

室住素子:オルガン②-⑤、吉野直子:ハープ⑥⑦

CD:

MF27001 定価 2,800円(税込)

発売日:2014年4月1日

録音:①浜離宮朝日ホール 2006年3月6日、②-⑤ 所沢市民文化センター ミューズ アークホール 2013年4月1日,2日、⑥⑦ 三鷹市芸術文化センター「風のホール」2007年1月23日

録音方式:DSD to finest CD