ユーシア・クァルテット

比類なき感性

ブリテン<シャコンつき> & 武満徹<枯葉>

  

  ユーシア・クァルテットのデビュー盤。EUSIAの名前の由来は、4人の出身地であるヨーロッパ(EUROPE)とアジア(ASIA)、出会いの場であるアメリカ(U.S.A)の合成語です。

20009月に米国シカゴで結成されたユーシア・クァルテットは、4人共長岡京室内アンサンブルのコアのメンバーでもあり、このアンサンブルから飛翔した類まれなる瑞々しい感性をもつ新星です。

 当時、ルーズベルト大学シカゴ芸術音楽院教授だった、森悠子の指導のもとにめきめき力をつけ、20015月米国インディアナ州サウスベンドで行われた<全米フィショフ室内楽コンペティション>でゴールド・メダリストとなりました。その折演奏したのがブリテンの弦楽四重奏曲第2番で、難曲として知られるこの作品で誠実で精巧、独創性豊かな雰囲気が見事に保たれた演奏"と絶賛されました。

今年没後30年を迎えたブリテンは、この作品をパーセルの没後250年記念作品として作曲していますが、第3楽章は「シャコンヌ」で書かれており、パーセルの「シャコンヌ」(ブリテン版)を冒頭に収録しているのは、両者に深い絆があるからです。

 今年没後10周年を迎えた武満徹は、ブリテンと共に20世紀を代表する作曲家として、今や世界 中から認められていますが、その武満徹の「ア・ウェイ・アローン」と共に、武満徹が自ら編曲した「枯葉」を後半に収録しているのが、このディスクのもうひとつの魅力といえるでしょう。

 作曲家武満徹の原点は、戦時下にSPで聴いたシャンソンでした。秋をこよなく愛した武満徹の限りない美しさと、悲しいさを、ユーシア・クァルテットはで奏でています。

 


パーセル没後250年記念作品

 

   1. パーセルシャコンヌト長調 (ブリテン校訂版)

     2.  ブリテン弦楽四重奏曲第2番 ハ長調 作品36 シャコンヌつき 

     3.  武満 徹ア・ウェイ・アローン

     4.  武満 徹枯 葉 (コズマ曲原曲)

     ユーシア・クァルテット

         高木和弘 (Vn 1st) ヤンネ舘野 (Vn 2nd)

          小倉幸子 (Va) アドリアン・ズィトゥン (Vc)

 ■ハイブリッドSACD: NF63101 3種信号入     

                                                   希望価格:4,500円(税込み)        

    録音:びわ湖小ホール(1,2,4)   2004719日、21日     

             京都府民ホール アルティ(3)   2003711,12

                     発売日:2006920     



ユーシア・クァルテット

  20009月、米国シカゴで結成された。

 EUSIAの名前の由来は、4人の出身地であるヨーロッパ(EUROPE)とアジア(ASIA)、出会いの場である アメリカ(U.S.A)の合成語である。

 1999年9月、リヨン国立高等音楽院助教授から、ルーズベルト大学シカゴ芸術音楽院の教授(1999-2004)に転身した森悠子は、リヨン楽院時代の教え子であったアドリアン・ズィトゥン(フランス)とある日偶然にシカゴで再会した。アドリアンはインディアナ大学へと進み、シュタルケル、堤剛のもとで学んでいた。その後ヤンネ館野(フィンランド)、高木和弘(日本)、小倉幸子(日本)の長岡京室内アンサンブルで演奏を共にしていた3人が相次いでルーズベルト大学シカゴ芸術音楽院に留学、アドリアンと高木は共にリヨン国立高等音楽院で学んだ経験もあった。 

このように、共通の基盤を持つ4人の若者のシカゴで出会い、ユーシア・クァルテットは誕生した。 

森悠子の指導によりめきめき力をつけ、20015月米国インディアナ州サウスベンドで行われた<全米フィショフ室内楽コンペティション>で金賞受賞、誠実で精巧、独創性豊かな雰囲気が見事に保たれた演奏"と絶賛された。

 メンバーはそれぞれ独自の道を歩み、日、欧、米のオーケストラなどの第一線で活躍すると同時に、ユーシア・クァルテットとしての活動にも力をいれ、2002年と20058月にはフィンランドのオウルンサロ・ソイ音楽祭に出演、2003年と2004年には京都で演奏と録音を行った。2004年、20051月には米国テキサス州ラウンドトップ国際音楽祭出演、2006年3月にはシカゴ国際音楽財団主催リサイタルは現地のラジオ、テレビで中継され、ワシントン・ナショナル・ギャラリーのロビー・コンサートにも出演するなど、毎年世界各地で公演を行い、国際的にも注目される存在となっている。

 4人共、長岡京室内アンサンブルのファミリー・メンバーの一員でもあり、公演ごとに随時演奏に参加している。  

高木和弘(ヴァイオリン) 大阪、日本

 京都フランス音楽アカデミー(P.ドゥカン)、リヨン国立高等音楽学院(E.ウルフソン、森悠子)、シカゴ芸術音楽院(森悠子)などで学ぶ

ドイツ、ヴュルテンベルク・フィルのコンサートマスター(2002-2006)を経て、山形交響楽団特別客演   

コンサートマスター、大阪センチュリー交響楽団首席客演コンサートマスター。 

(タンゴ・バンドやクラブシーンなどでも活躍するなど、多彩ぶりを発揮)

 

ヤンネ舘野(ヴァイオリン) ヘルシンキ、フィンランド

ヘルシンキ音楽院(シカク・クーラー、オルガ・パルコメンコ)、シカゴ芸術音楽院(森 悠子)などで学ぶ。日本とフィンランドの2つの母国を中心に、室内楽と共にバロック・ヴァイオリン演奏にも力を入れている。フィンランド、テンペスタ・チェンバー・オーケストラ、コンサートマスター。

 (父、舘野泉が<左手のピアニスト>として復活するきっかけを作った)

 

小倉幸子(ヴィオラ)奈良、日本

  京都市立芸術大学卒業後、ヴィオラ・スペース参加をきっかけにヴィオラに転向(店村真積)、シカゴ芸術音楽院(リ=クー・チャン)などに学ぶ。

 2001年よりシカゴ交響楽団のメンバー。

 (ヴァイオリンのKozue Funakoshiに次ぐシカゴ交響楽団史上2人目の日本人)

 

アドリアン・ズィトゥン(チェロ)パリ、フランス 

リヨン国立高等音楽院(イヴァン・チフォロー)、インディアナ大学(堤剛、ヤーノシュ・シュタケル)などで学ぶ。

 2001年よりミルウォーキー交響楽団のメンバー。

 (ミルウォーキー青少年交響楽団のコーチをつとめるなど、教育活動にも力を入れている)